働きづらさ

境界知能の方に向いてる仕事の特徴|つらい時の対処法や支援もわかる

「境界知能があり、どの仕事が向いているかわからない」
「仕事が覚えられなくて、同じミスを繰り返してしまう」

境界知能の方の中には、このような仕事上の困りごとを感じる方もいます。普段の生活では困りごとが目立ちにくくても、大人になって仕事で求められることが増えることで、働きづらさとして表れる場合があるためです。

境界知能の方に一律に向いている仕事があるわけではありませんが、手順や担当範囲が明確で、一度に多くの判断を求められず、困ったときに相談しやすい仕事は比較的検討しやすいでしょう。たとえば、軽作業、製造・物流、定型的な事務補助などが候補になります。ただし、同じ職種でも仕事内容や職場環境によって働きやすさは変わります。

本記事では

  • 境界知能の特徴と大人になって仕事で困りやすい理由
  • 向いてる仕事の特徴と具体例
  • 困ったときに利用できる就労支援

を整理しながら、自分に合う働き方を考えるヒントを分かりやすく解説します。

境界知能とは?大人になって仕事ができないと感じる理由

知能指数のイメージ画像

境界知能は、日常生活では大きく目立たなくても、学習や仕事など特定の場面で困りごとにつながることがあります。特に大人になると、仕事で求められる判断や対応の複雑さによって、働きづらさとして気づきやすくなる場合があります。

境界知能とは?知的障害との違い

境界知能とは、知的機能が平均より低めで、知的障害との境界にあたる水準を指します。一般的には、知的障害の基準には当てはまらないものの、学習や仕事、日常生活の一部で困りごとを感じる方もいます。

知的障害はIQの数値だけで判断されるものではなく、日常生活や社会生活を送る力も含めて考えられます。境界知能は知的障害とは異なりますが、「知的障害ではない=困りごとはない」というわけではありません。

そのため、境界知能の方にとっては、IQの数値だけでなく、生活や仕事の中でどのような場面に困りやすいのかを知ることも大切です。

参考:知的障害の認定基準に関する研究|厚生労働省

大人になって困りやすくなる理由

境界知能による困りごとは、子どもの頃よりも、大人になって働き始めてから困りごととして目立ちやすくなることがあります。

学校生活では、時間割や課題など、やるべきことが比較的明確で、周囲のサポートを受けやすい場面も少なくありません。

一方、仕事では、曖昧な指示への対応や複数業務の同時進行、急な変更への対応などが求められることがあります。そのため、学生時代には大きな問題がなかった場合でも、社会に出てから仕事の難しさを感じることがあります。

これは能力そのものが大人になって変化したというより、仕事で求められることが増えることで、それまで目立たなかった困りごとが表れやすくなったと考えられます。また、困りやすさは仕事内容や職場環境によっても変わるため、今の仕事がうまくいかないことだけで「働けない」と考える必要はありません。

参考:療育手帳そのほか関係諸施策との影響や課題についての調査 報告書|厚生労働省

大人の境界知能の方が仕事で感じやすい困りごと

仕事がうまくできず、自身を失っている方のイメージ

大人の境界知能の方の中には、仕事でうまくいかないと感じたり、同じことで何度も注意されたりすることに悩む場合があります。仕事では学校生活とは異なり、より複雑な対応が求められる場面も多く、特定の状況で負担が出やすいことがあります。

指示理解・習得に時間がかかる

仕事では、「前と同じように進めて」「これ対応しておいて」など、具体的な手順が省略された指示をされることがあります。そのため、指示された内容を整理しきれず、仕事の手順を理解したり覚えたりするまでに時間がかかることがあります。

たとえば、口頭で一度説明された内容だけでは手順を整理しきれず、実際の作業で混乱してしまうことがあります。また、専門用語が多い場合や業務変更が頻繁な場合には、負担が大きくなることもあります。

その結果、「覚えが悪い」と見られたり、自信を失いやすくなったりすることがあります。ただし、これは必ずしもやる気や努力不足とは限りません。手順書やチェックリストなど、環境によって理解しやすくなる場合もあります。

情報の整理や優先順位の判断に負担を感じることがある

仕事では、複数の依頼を受けたときに、それぞれの内容を覚えながら整理し、何から取りかかるかを考える必要があります。境界知能の方は、情報を一時的に覚えながら処理する力や、計画を立てて課題を進める力に弱さがみられることがあり、こうした場面で負担を感じる場合があります。

たとえば、作業中に別の依頼を受けたり、複数の仕事について一度に説明されたりすると、それぞれの内容や順番を整理しきれず、何から手をつければよいか迷ってしまうことがあります。

そのため、仕事そのものが苦手というよりも、一度に扱う情報が多い仕事や、自分で優先順位を判断する場面が多い環境では、負担が大きくなる場合があります。反対に、担当する仕事や作業の順番が明確な環境では、取り組みやすくなることがあります。

仕事でのつまずきが続き、自信を失うことがある

仕事上の困りごとが続くと、人間関係や自己肯定感にも影響することがあります。ミスや注意される経験が続くと、「また注意された」「評価が下がっているのでは」と不安を感じることもあります。

たとえば、注意される経験が続くと、質問や確認をためらうようになり、本来は確認した方がよい場面でも萎縮してしまうことがあります。その結果、ミスが増える悪循環につながることもあります。

また、周囲から理解されにくい場合、「自分は社会に向いていないのでは」と感じることもあります。しかし、仕事のしづらさは本人だけの問題ではなく、仕事内容や指導方法、職場環境の影響もあります。「自分が悪い」と抱え込みすぎないことも大切です。

参考:境界知能を持つ当事者の体験と認知の特徴:質的分析|日本公衆衛生看護学会誌|J-STAGE

境界知能の方に向いてる仕事の特徴

境界知能の方に向いている仕事のポイント

「自分に向いている仕事が分からない」と感じるときは、職種名だけで判断するのではなく、仕事内容や職場環境の特徴で考えることが大切です。

同じ仕事でも、手順の分かりやすさや求められる対応、周囲のサポート体制によって働きやすさは変わります。ここでは、境界知能の方が比較的取り組みやすい仕事や職場環境の特徴を整理します。

手順が明確で、業務内容が分かりやすい仕事

仕事内容や手順が明確で、「何をどう進めるか」が分かりやすい仕事は、負担を減らしやすい傾向があります。

たとえば、担当範囲が明確であれば、仕事の見通しを持ちやすく、何をすればよいのかも理解しやすくなる場合があります。また、マニュアルやチェックリストなど、本人が理解しやすい形で手順を確認できるものがあれば、一度にすべてを覚えておく必要がなくなります。

仕事選びでは、「難しさ」だけでなく、「進め方が分かりやすいか」という視点で考えることも大切です。

一度に求められることが多すぎず、急な判断が少ない仕事

一度に行わなければならない仕事量が多すぎず、急な変更や複雑な判断が少ない仕事は、負担を抑えやすい傾向があります。経験を重ねることで慣れやすく、安心感につながることがあるからです。

また、一つずつ作業を進めやすい仕事や、順番が分かりやすい仕事の方が取り組みやすい場合があります。毎回まったく同じ仕事である必要はありませんが、自分だけで複雑な状況を整理し、優先順位を判断し続けなくてもよいことがポイントです。

ただし、「単純作業=必ず簡単」という意味ではありません。作業スピードや正確性、体力など別の負担が大きい仕事もあります。一度に何を求められるのか、自分で判断する範囲がどのくらいあるのかまで確認することが大切です。

配慮があり相談しやすい職場環境

向いてる仕事を考えるときは、仕事内容だけでなく、職場環境も重要です。教え方や相談のしやすさ、周囲の理解によって働きやすさは大きく変わります。

境界知能は外見からは分かりにくく、本人が理解できていないことも周囲から気づかれにくい場合があります。そのため、仕事ができない理由を「やる気がない」「ちゃんと聞いていない」と受け取られてしまうこともあります。

こうしたすれ違いを減らすためには、仕事を教えてくれる担当者がいる、分からないときに質問できる、理解できるまで確認しながら覚えられるなど、周囲からサポートを受けやすい環境であるかどうか確認することが大切です。

十分な説明がないまま「見て覚えて」と求められたり、質問しづらかったりする職場では、分からないことを抱えたまま仕事を進めることになり、負担が大きくなる場合があります。

求人票だけではこうした環境までは分かりません。そのため、面接や職場見学で、「仕事はどのように教えてもらえるか」「分からないときは誰に確認できるか」などを確認しておくとよいでしょう。

境界知能の方が検討しやすい仕事例

境界知能の方が仕事でうまくいっているイメージ

「向いてる仕事の特徴」が分かっても、実際にどのような仕事が候補になるのか迷うこともあるかもしれません。

ここでは、3章で紹介した「手順の分かりやすさ」「一度に求められることの多さや判断の少なさ」「配慮や相談のしやすさ」といった観点をもとに、比較的検討しやすい仕事例を紹介します。

軽作業・清掃・品出し

軽作業・清掃・品出し系の職種は、担当範囲や作業内容が比較的明確な場合があり、手順を覚えながら取り組みやすい傾向があります。毎日の業務が一定の流れで進む職場では、仕事の見通しを持ちやすく、取り組みやすい場合があります。たとえば、以下のような例が挙げられます。

  • スーパーやドラッグストアの商品補充(品出し)
  • ビル・施設・ホテルなどの清掃
  • リネン整理や備品補充

急な判断や複雑な対人対応が比較的少ない場合は、作業そのものに集中しやすいことがあります。一方で、立ち仕事や体力が必要な場合もあるため、勤務時間や作業量なども確認しておくとよいでしょう。

工場・製造・物流

工場・製造・物流系の職種は、作業工程やルールが整理されている場合があり、一定の流れに沿って進めやすい傾向があります。特に一度に行うことが多くない業務であれば、作業に慣れることで、取り組みやすくなる場合があります。仕事例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 工場でのライン作業補助
  • 商品の検品・検査
  • 梱包・箱詰め
  • 配送センターでの仕分け
  • ピッキング(指定商品の取り出し)

ルールや手順が明確な環境であれば、働きやすさにつながるでしょう。ただし、作業速度や体力面などは職場差が大きいです。検討する際は、具体的な作業内容やどの程度のスピードが求められるのかなども確認しておきましょう。

パソコン入力・事務補助

パソコン入力や事務補助系の職種は、比較的フォーマットや手順が決まった定型業務を含むことが多く、業務内容が明確な職場では取り組みやすいことがあります。以下のような仕事の中には、一定の流れに沿って進めやすい業務もあります。

  • データ入力
  • 書類整理・ファイリング
  • 郵便物の仕分け
  • 書類チェック・スキャン
  • 備品管理補助

ただし、「事務職」と一口にいっても、電話対応・来客対応・調整業務・臨機応変な判断が多い仕事もあります。そのため、「事務だから向いている/向いていない」と単純に判断するのではなく、定型業務中心か、対人対応が多いかなど、具体的な仕事内容を確認することが大切です。

IT補助・バックヤード業務

IT補助・バックヤード系の職種は、対人対応が比較的少なく、マニュアルや手順に沿って進めやすい業務を含むことがあります。PC操作や確認作業、裏方業務が中心の場合は、手順が決まっていれば働きやすいことがあります。仕事例として、次のようなものが挙げられます。

  • データチェック・登録補助
  • 商品情報登録
  • 書類電子化作業
  • PC設定補助(キッティング)
  • バックオフィス補助業務

業務内容によっては変化対応や正確性が強く求められる場合もあります。そのため、「IT系」という言葉だけで判断せず、具体的な作業内容やサポート体制を確認することが重要です。

農業・施設管理補助

農業・施設管理補助系の職種は、作業内容や担当範囲が比較的明確で、一定の手順に沿って進めやすいことがあります。屋外作業や身体を動かす仕事が合う方にとっては、比較的取り組みやすいでしょう。仕事例として、次のようなものが挙げられます。

  • 農作業補助(収穫・選別・出荷準備など)
  • 園芸・緑地管理補助
  • 施設内の備品管理
  • 清掃や環境整備補助

農業や施設管理は、職場によって担当する仕事の幅が大きく異なります。担当範囲が明確な環境では、働きやすくなる場合がある一方、天候や生育状況に応じた判断、機械の操作、利用者・居住者への対応などを求められる場合もあります。検討する際は、具体的な担当業務や自分で判断する場面の多さ、困ったときに相談できる体制などを確認しておくことが大切です。

仕事がつらいときの働き方の対処法

仕事がつらい時の働き方で選びえる選択肢のイメージ

「頑張っているのに仕事がつらい」
「もう続けられないかもしれない」

このように感じるとき、自分を責めてしまうことがあるかもしれません。仕事のつらさは、本人の努力だけでなく、仕事内容や職場環境とのミスマッチが影響している場合もあります。

「今の仕事が合わない=働けない」とは限りません。ここでは、仕事がつらいときに考えられる働き方の対処法を整理します。

まずは「何がつらいのか」を一つずつ整理する

仕事がつらい状態が続くと、「自分には働けない」と感じてしまうことがあります。しかし、つらさの原因を一度に考えようとすると、何が負担になっているのか分かりにくくなることもあります。

まずは、仕事全体について考えるのではなく、「どんな場面でつらかったか」を一つずつ振り返ってみましょう。たとえば、仕事で困った日のことを思い出し、「何をしていたときか」「そのとき何に困ったか」「どうなったか」の順に整理すると、負担になっている部分を見つけやすくなります。

頭の中だけで整理しにくい場合は、紙やスマートフォンのメモに書き出してみるのも方法の一つです。何度か振り返るうちに、自分が負担を感じやすい場面が見えてくることがあります。原因が整理できると、仕事内容そのものを見直した方がよいのか、環境調整で改善できるのかを考えやすくなります。

今の職場で業務調整や働き方を見直す

仕事のつらさの原因が少しずつ見えてきたら、今の職場で負担を減らせる方法がないか考えてみましょう。一度に働き方を大きく変えるのではなく、困っている部分に合わせて、できるところから調整してみる方法もあります。

境界知能の方の場合、自分が困っていることを周囲に気づいてもらいにくいことがあります。そのため、相談するときは、「仕事がつらい」とだけ伝えるよりも、「この場面で困っている」「こういう方法なら取り組みやすい」と具体的に伝えられると、職場側も対応を検討しやすくなります。

たとえば、あとから確認できる方法を用意してもらう、分からないときに誰へ確認するか決めておくなどの方法があります。すべて希望どおりに変更できるとは限りませんが、自分が働きやすくなる方法を職場と一緒に考えてみることも選択肢の一つです。

転職や支援利用を含め、自分に合う働き方を探す

今の仕事がどうしても合わず、調整も難しい場合は、転職や就労支援を含めて、自分に合う働き方を考えることも一つの方法です。今の環境が合わないことと、働くこと自体ができないことは同じではありません。

境界知能の方の場合、職種名だけでなく、仕事の進め方や求められる判断の多さ、周囲から受けられるサポートによって働きやすさが変わることがあります。そのため、転職する場合も、「次は何の仕事をするか」だけでなく、「どのような環境なら続けやすいか」という視点で探すことが大切です。

また、自分だけで次の働き方を決めることが難しい場合は、就労移行支援やハローワーク、地域障害者職業センターなどに相談する方法もあります。障害者手帳を持っていなくても利用できる支援があるため、自分が対象になるか分からない場合も、まず相談して確認することができます。

今の仕事を続けることだけにこだわらず、自分が無理なく働き続けやすい環境を探していくことも、働き方を考えるうえで大切な選択肢です。

境界知能の方が利用を検討できる就労支援・相談先

「働きたいけれど、自分に合う仕事が分からない」「仕事が続かず不安がある」と感じるときは、一人で抱え込まず、就労支援や相談機関を活用する方法もあります。

就職そのものだけでなく、働く準備や職場への定着、仕事探しなど、悩みの段階に応じた支援が用意されています。自分に合う働き方を考えるためにも、利用できる相談先を知っておくことは大切です。

ハローワーク

ハローワークでは、求人紹介だけでなく、「どんな仕事を選べばよいか」「どのように就職活動を進めればよいか」といった相談もできます。希望条件の整理から求人探し、応募書類の作成、面接対策まで、就職活動の段階に応じた支援を受けられます。

また、障害のある方を対象とした専門窓口もあり、専門知識をもつ職員や相談員が職業相談や求人紹介などを行っています。障害者手帳を持っていない場合でも、専門窓口を利用することは可能です。

境界知能の方の中には、「自分に合う仕事内容をうまく整理できない」「求人票だけでは実際の仕事をイメージしにくい」と感じる方もいるかもしれません。そのような場合は、これまで仕事で困った場面や、働きやすかった条件などを相談員に伝えながら、自分に合う仕事を一緒に検討していく方法もあります。

参考:障害のある皆様へ|ハローワークインターネットサービス|厚生労働省

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは、働くための専門的な支援を行う機関です。職業相談や職業評価を通して、仕事をするうえでの得意なことや苦手なこと、どのような支援があれば働きやすいかを整理できます。

境界知能の方の場合、「仕事を覚えるのに時間がかかる」「複数の仕事が重なると混乱しやすい」などの困りごとがあっても、自分では何が負担になっているのか、どのような仕事なら取り組みやすいのかを整理しきれないことがあります。そのようなときに、相談や実際の作業などを通して、自分の特徴を仕事選びにどう生かすか考える手助けになります。

必要に応じて、就職に向けた職業準備支援や、就職後に職場へ適応するための支援を受けることもできます。「仕事を探す前に、まず自分に合う働き方や必要な支援を整理したい」という場合に検討できる相談先です。

参考:地域障害者職業センター|高齢・障害・求職者雇用支援機構
参考:岐阜県障害者職業センター|高齢・障害・求職者雇用支援機構岐阜市部

就労移行支援

就労移行支援は、一般企業などへの就職を希望する障害のある方が、働くための準備から就職活動まで支援を受けられる福祉サービスです。

境界知能の方の場合、これまで仕事が続かなかったり、どのような仕事なら取り組みやすいのか分からなかったりすることもあります。就労移行支援では、訓練や支援者との相談を通して、仕事で困りやすい場面や得意なこと、必要なサポートなどを整理しながら就職を目指すことができます。すぐに就職することに不安がある場合でも、自分に合う働き方を考えながら準備を進めることができます。

療育手帳などの障害者手帳を持っていなくても、状況によっては就労移行支援を利用できる場合があります。ただし、境界知能であれば一律に対象になるわけではありません。手帳がない場合に障害福祉サービスの対象となるかどうかは、本人の状況などをもとに自治体が確認します。

詳しい条件や利用方法については、以下の記事をご覧ください。
関連記事:就労移行支援は障害者手帳なしでも利用できる!利用するための条件や方法を解説

就労継続支援A型・B型

就労継続支援A型・B型は、一般企業で働くことに難しさを感じる障害のある方が、必要な支援を受けながら働く経験を重ねられる福祉サービスです。すぐに一般就労を目指すのではなく、支援を受けながら働きたいと感じる場合に利用を検討できます。

A型は一般企業で働くことが難しいものの、雇用契約を結んで継続的に働くことができる方が対象となり、賃金を受け取りながら働きます。B型は、一般企業だけでなく雇用契約に基づいて働くことも現時点では難しい方が、生産活動などを通して働く機会を持つサービスです。

就労継続支援も療育手帳などの障害者手帳を持っていなくても、利用できる場合があります。一般就労を続けることに難しさを感じている場合は、自分が対象になるか市区町村の窓口などで相談してみるとよいでしょう。

なお、新たにB型を利用する場合は、2025年10月から原則として事前に就労選択支援を利用し、就労面の課題などを整理することになっています。ただし、年齢や就労経験などによる例外があります。

参考:障害福祉サービスについて|厚生労働省

WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜

WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜

「療育手帳や障害者手帳はないが、働きづらさを抱えている」といった方にとって、地域に根ざした就労支援は重要な選択肢の一つです。岐阜地域には、そうした方を対象にした「WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜」があります。

このプロジェクトは、岐阜地域6市3町(岐阜市、羽島市、各務原市、山県市、瑞穂市、本巣市、岐南町、笠松町、北方町)に在住し、「働きたいけれど働けない」「働きづらさがある」と感じている方を対象とした就労支援事業です。

このプロジェクトでは障害者手帳や障害福祉サービス受給者証を取得していない方が対象であり、利用料は無料です。対象条件に当てはまる境界知能の方で、療育手帳などの障害者手帳を持っておらず、制度利用にハードルを感じていた方も利用できます。

利用者は、岐阜市内の就労移行支援事業所や就労継続支援B型事業所などで、自身の特性や体調、心の状態に合わせた配慮を受けながら、就労に向けた準備や働き続ける力を身につけるための支援を受けられます。いきなり就職を目指すだけでなく、生活リズムの安定や働く準備段階から支援を受けやすい点も特徴です。

どの支援制度を利用できるかわからないという方も、まずは相談することから始めてみるのはいかがでしょうか。

ご利用案内|WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜

まとめ|境界知能の方が自分に合う仕事や働き方を探すために

  • 境界知能は、子どもの頃よりも大人になって仕事で困りごととして表れやすい場合がある
  • 「仕事ができない」と感じても、仕事内容や職場環境とのミスマッチが影響していることもある
  • 向いてる仕事を考えるときは、手順の明確さ・一度に求められることや判断の少なさ・相談しやすさなどが重要
  • 今の仕事がつらいときは、我慢だけでなく、環境調整や転職、就労支援の活用も選択肢になる
  • 一人で向いてる仕事を探す際は、ハローワークや障害者職業センターでの相談のほかに、療育手帳を取得していなくても就労支援を活用できることもある

「仕事を覚えられない」「何度も同じことで注意される」といった経験が続くと、自分には仕事ができないと感じてしまうことがあります。しかし、境界知能の方の場合、仕事内容そのものではなく、指示の出し方や仕事の進め方、求められる判断の多さが負担になっていることもあります。

自分がどのような場面でつまずきやすいのかが分かれば、仕事を選ぶときに確認すべきポイントも見えてきます。手順が明確か、一度に多くの仕事を求められないか、分からないときに相談できるかなど、自分が取り組みやすい条件から仕事を探すことも大切です。

今の仕事が合わない場合も、転職だけでなく、職場での業務調整や就労支援の利用など、いくつかの選択肢があります。一人で判断することが難しいときは、支援機関にも相談しながら、自分に合う仕事や環境を探していきましょう。


この記事に関するお問い合わせはこちらまで:workdiversitygifu@sus-sup.org

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