何の前触れもなく強い不安や恐怖に襲われて動悸や息切れがするパニック障害は、日本人の約3~5%が生涯のうちに経験すると言われている身近な障害です。パニック障害は誰にでも起こり得るものであり、「精神的に弱い人」が発症する障害ではありません。
ですが、パニック障害を発症してしまうと、日常生活だけでなく仕事にも大きな支障をきたしてしまいますよね。
この記事にたどり着いたあなたは、
「パニック障害で今の仕事を続けることができないから転職したい…」
「パニック障害でも復職や再就職はできるの?社会復帰のための支援制度を知りたい」
このような悩みや疑問を抱えてはいませんか?
本記事では
- パニック障害の症状や発症する原因とは?
- 仕事が原因でパニック障害になったらどうすればいい?
- パニック障害の方の仕事探しのポイント
- パニック障害の方が利用できる就労支援サービス
について解説していきます。
この記事が、パニック障害を抱えるあなたの社会復帰の一助となれば幸いです。
パニック障害とは?現れる症状について
突然に「死んでしまうのではないか?」「気が狂ってしまいそう」という強い不安や恐怖に襲われて、それに伴い動悸や心拍数の増加・息切れや呼吸困難・手足の震えやしびれ・胸の痛みや圧迫感などの身体的症状が現れることを「パニック発作」といいます。パニック障害とは、このパニック発作が予期しないタイミングで繰り返し起こる障害です。
パニック障害は10代後半~30代の方に見られやすい障害で、男性よりも女性の方が約2倍発症しやすいことが分かっています。
パニック障害の方が発作中に襲われる感覚は様々ですが、「全く息を吸い込めず、水中に引きずり込まれて溺れているようだった」「心臓発作が起こったと勘違いするほど強烈な胸の痛みを感じた」などと例えられるように、場合によっては失神したり救急車で運ばれたりするほど強い発作が起こることもあります。
また、パニック障害を発症すると「いつ発作が起きるかわからない」という不安を常に抱え続ける「予期不安」と、発作が起きそうな場所や状況を避けようとする「回避行動」の2つの特徴が見られるようになります。
特に、過去に電車の中や人が多い場所でパニック発作を起こした経験がある方は、予期不安から公共交通機関の利用が困難になったり、外出自体ができなくなったりなど、より強い回避行動に繋がることもあります。
パニック障害を発症する3つの原因
パニック障害は、ある日突然に単発のパニック発作を経験したことがきっかけとなり発症する障害と考えられています。
パニック発作は日本人の約20%が生涯で1度は経験するものと言われており、ストレス・身体的な疲労・慣れない環境などの要因によって発生します。パニック発作自体は一過性のものであるため、必ずしもパニック障害を発症するわけではありません。しかし、この発作が非常に強い症状であった場合、脳が発作を「危険な状況」と認識して記憶することで予期不安の形成に繋がってしまう可能性があります。
パニック障害を発症する原因には、大きく分けると「生物学的要因」「環境的要因」「心理的要因」の3つが考えられています。
次の項目では、この3つの原因について見ていきましょう。
生物学的要因
パニック障害の原因は、ストレスや危険などを感知する脳内の扁桃体という部位が誤作動を起こして過剰に活性化することで、強い不安や恐怖を発生させることにあると考えられています。扁桃体が誤作動を起こすことで何事もない日常的な場面でも不安や恐怖を感じやすく、その場面を「危険だ」と誤認してしまうのです。
扁桃体がストレスや危険を感知すると、神経伝達物質の1つであるノルアドレナリンが分泌されます。これ自体は通常の反応ですが、扁桃体が過剰に活性化するとそれに伴いノルアドレナリンが大量に分泌されてしまいます。
ノルアドレナリンは、目の前のストレスや危険に体を備えさせて戦闘態勢を整える役割を持っているため、大量に分泌されてしまうと「血圧の上昇や心拍数の増加」「呼吸の早まり」「消化機能の低下」などの症状が現れます。これが、パニック発作を引き起こす大きな原因になるのです。
環境的要因
パニック障害の発症には下記のような環境的要因が大きく関与すると考えられており、
- 業務量が異常に多い、仕事のプレッシャーが大きいなどの職場環境
- 家族関係が悪い、経済的な不安を抱えているなどの生活環境
- 虐待を受けていた、事故や災害に巻き込まれたなどの過去のトラウマ
- 結婚や離婚、出産、親しい人の死などのストレスを受けやすい環境変化
などの環境的要因が積み重なることで、扁桃体やノルアドレナリンの異常を引き起こしやすくなります。
また、食生活の乱れや運動不足の他にも、喫煙やカフェインの摂取など、意外な生活習慣もパニック障害を発症する環境的要因として知られています。
心理的要因
性格や物事の考え方は、先述している環境的要因などの影響を強く受けながら様々な経験を経て形成されていくものです。そのため、性格や物事の考え方が異なればストレスの受け方も変わるため、パニック障害を発症する原因となることがあります。
あくまでも傾向ではありますが、パニック障害の方には下記のような性格や考え方の特徴を持つことが多いとされています。
- 完璧主義で失敗を極端に恐れてしまう
- 真面目で責任感が強く、自分を追い詰めやすい
- 自己肯定感が低く、他人の評価を過剰に気にしやすい
- 感受性が豊かで共感力が高いため、些細な感情の変化でも傷つきやすい
- 「もし~だったらどうしよう?」という悪い未来を想像しやすい
このように、心理的要因によって日常的に不安や恐怖を感じやすい方はパニック障害を発症しやすくなるのです。
仕事が原因でパニック障害になったらどうする?
仕事が原因でパニック障害を発症することは決して珍しくありません。仕事でのプレッシャー・長時間労働・人間関係の問題などが原因でパニック発作を繰り返すうちに予期不安や回避行動が強まり、最終的にはパニック障害の発症に繋がることがあります。
パニック障害はあなたの努力や我慢だけで改善できるものではありません。
次の項目では、このような症状を自覚した時にどうするべきかについて解説していきます。
まずは専門医に相談、正確な診断と治療を受ける
パニック障害の方はうつ病を始めとする様々な精神疾患を併発しやすいほか、パニック発作だと思ったら心臓疾患や呼吸器疾患などの違う身体疾患が隠れていたというケースも存在します。そのため、パニック障害の兆候を感じたらまずは精神科や心療内科を受診して、正確な診断と治療を受けることが大切です。
パニック障害は自然に完治することは稀であり、パニック発作を繰り返す事で、
- 予期不安がさらに強まり、回避行動が悪化する
- 脳が不安や恐怖に対する過剰な反応を「正常なもの」として学習してしまう
- 生活の質の悪化や社会的な孤立感から自己肯定感を失ってしまう
などの状況に陥り、悪化することが多い障害です。
一方で、早期発見による薬物療法や認知行動療法などの治療は症状の改善に効果が期待できます。パニック障害と付き合いながら仕事を続けるには、適切な治療を受けながら自身の障害について理解を深めることが必要です。
仕事を続けるなら、職場に適切な配慮を求める
パニック障害を発症しても仕事を続ける場合には、職場での理解を得ることが何よりも大切です。上司や人事部に、医師の診断書と合わせて「症状の概要」「発生しやすい発作」「仕事にはどのような影響があるか」などの正確な情報を伝えることで、パニック障害についての誤解を避けて職場での配慮を求めやすくなるでしょう。
職場での配慮がパニック発作の予防に繋がった事例には、下記のようなものがあります。
- 人混みを避けられるように時差出勤を許可して始業時刻も柔軟に変更できるようにした
- 会議にはカメラをオフにした状態でのリモート参加を許可した
- ガムを噛んでいれば予期不安が軽減されるため、ガムの常用を許可した
また、パニック障害について会社の理解を得られているという安心感そのものが、発作の予防に効果的な場合もあります。いずれにせよ働き方を見直すことが大切です。
休職して治療に専念することも選択肢の1つ
休職とは、病気や怪我で働けなくなった従業員に対して、治療に専念するための長期休暇を取得させる制度です。一般的に休職中は給料を貰えませんが、社会保険に加入していれば毎月の給料の約2/3の金額を傷病手当金という形で受け取ることが可能です。
ただし、休職は会社が福利厚生の一環として任意で設けている制度であるため、休職制度の内容も会社ごとに異なります。
休職を検討する場合、まずは就業規則を確認したり人事部に問い合わせたりして、
- パニック障害で休職制度の利用はできるのか?
- 休職できる最大期間はどれくらいか?(一般的には6か月~1年程度)
- 復職するための条件や手順について
これらの点を確認しておくと安心です。
「会社に迷惑がかかるかも…」と考えてしまい休職に踏み切れない場合もあるでしょう。しかし、無理をしてパニック障害が悪化してしまうと、仕事にドクターストップがかかる可能性があります。
また、パニック障害の辛い症状で悩んでいる時に、離職や転職などの大きな決断を焦る必要はありません。その前に、あなたにはしっかりと休んで治療に専念する「休職」という選択肢があることを忘れないでくださいね。
復職に向けたリワークプログラムの利用を検討してみる
リワークプログラムとは、パニック障害を含む精神疾患が原因で休職している方が、スムーズに復職できるようにサポートを行う職場復帰支援のことです。リワークプログラムは医療機関で受けられるほか、ハローワークや地域障害者職業センターなどの公共機関でも実施されており、会社が独自の復職支援制度を設けている場合もあります。
リワークプログラムでは、通勤を想定して決められた時間に施設に通所しながら、
- レクリエーションなどを通じた集団生活に慣れる訓練
- 仕事や日常生活の中でストレスを管理する方法を身に着ける訓練
- パニック発作の原因となる思考や感情を特定して、対処法を身に着ける訓練
- 労働時間や業務内容などを検討して、復職後の働き方を調整する
などのサポートが実施されています。
もっとも、リワークプログラムの利用は治療の状況を見ながら主治医に相談して、慎重に判断する必要があります。リワークプログラムはあくまでも社会復帰に向けた手段の1つであるため、全てのパニック障害の方の復職に必須となるものでもありません。治療を優先する中で、自分のペースで社会復帰を考えることが大切です。
パニック障害の方の転職・再就職 仕事探しの3つのポイント
仕事が原因でパニック障害になった場合、「会社の理解を得ることはできたけれど、今の仕事を続けるのはやっぱり難しい…」「休職したけれど復職できなかったから、新しい仕事を探さなければいけない…」などの事情から転職を希望したり離職を選択したりすることもありますよね。
次の項目では、パニック障害の方の転職・再就職に注目して、仕事探しのポイントを解説していきます。
障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)の取得を検討しよう
パニック障害は精神疾患を抱えている方に該当するため、
- 病気や障害の診断を受けた日から6か月以上経過し、症状が続いていること
- 主治医からの診断書によって、日常生活や仕事に支障があると判断されること
- 現在病気や障害の治療を受けており、今後も治療を継続する必要があること
これらの条件を満たしていれば、お住まいの市役所で申請を行うことで障害者手帳を取得することが可能です。
パニック障害の方が取得できる障害者手帳は「精神障害者保健福祉手帳」という種類の手帳であり、精神疾患の症状に応じて1級~3級までの等級に分けられています。1人で自立した生活ができない場合は1級に該当しますが、パニック障害の場合の等級は一般的に2級~3級に該当することが多いとされています。
等級によらず、障害者手帳を取得することで、
- 所得税や住民税などの税金が控除される
- 医療費や福祉サービスの自己負担額の助成が受けられる
- 電車やバスなどの公共交通機関の割引が受けられる
など、様々なメリットが受けられるようになります。受けられるメリットはお住まいの自治体によって異なる場合もあるため、市役所の障害福祉課などに事前に問い合わせを行うと良いでしょう。
次の項目では、障害者手帳を取得していると就職活動を安心して進められるポイントについて掘り下げていきます。
失業保険を受け取る時に優遇措置が受けられる
失業保険とは、雇用保険に加入しながら働いている方が失業した後に一定の期間、これまでの給料の約50~80%の金額を給付金として毎月貰うことができる制度です。申請は最寄りのハローワークで行うことができます。
失業保険の給付期間は自己都合退職の場合、就業年数に応じて90~150日間となりますが、障害者手帳を所持していると給付期間が300~360日間に延長されます。
離職後の治療や就職活動を安心して進めるために積極的に活用したい制度です。
失業保険の申請期限は離職した日の翌日から1年間です。失業保険での優遇措置を受けるためには、障害者手帳を取得した状態で申請を行う必要があります。一部例外もありますが、失業保険を申請した後に障害者手帳を取得した場合は優遇措置が適用されないため注意しましょう。
障害者雇用の求人に応募できる
パニック障害の方の就職活動には、大きく分けて下記の3つの選択肢があります。
- 障害者であることを開示せずに一般求人に応募する「クローズ就労」
- 障害者であることを開示して一般求人に応募する「オープン就労」
- 障害者を対象とした特別な雇用枠に応募する「障害者雇用」
クローズ就労の場合は障害に対して支援や配慮を求めず通常通り働くため、障害者手帳の有無を問われることはありません。しかし、パニック障害の症状や治療の状況によっては、クローズ就労での就職が難しい可能性が考えられますよね。就職後に「パニック発作が再発したらどうしよう…」という不安がつきまとうケースもあるでしょう。
一方、障害者手帳の取得が必要となるオープン就労や障害者雇用では、障害に対して支援や配慮を求めながら働けるため、就職活動スムーズに進められたり就職後の不安を軽減できたりする特徴があります。
パニック障害の方は、障害者手帳を取得しておくと今後の就職先の選択肢が増えることに繋がるほか、後述する就労支援サービスを利用しやすくなるメリットがある点も把握しておくと良いでしょう。
働きやすい職場環境について整理しておこう
パニック障害の方が転職・再就職をする場合、これまで以上に仕事内容や職場環境を慎重に選ぶことが大切です。あなたにとって「働きやすい職場環境」とは何か、しっかりとイメージを固めておきましょう。
実際に転職・再就職を経験したパニック障害の方からは、下記のようなポイントに注目して仕事を探したとの声が多く挙がっています。
- 業務で過度なプレッシャーや厳しいノルマはないか?
- 繁忙期の有無や残業時間はどれくらいか?
- 電車やバスの利用を避け、車や自転車などの負担の少ない手段で通勤できるか?
- 「フレックスタイム制」「在宅ワーク」など、柔軟な働き方ができるか?
- パニック障害やメンタルヘルスに理解がある企業か?
- パニック発作が起きてしまった時の緊急対応について事前に相談できるか?
パニック障害の方にとって、転職・再就職は単に「新しい仕事を探す活動」ではなく、「自分に合った働き方を見つける活動」という意味合いが大きくなります。あなたが企業に求めたい条件を整理することは、入社後に「思っていた仕事と違った…」というミスマッチを防ぐためにも大切です。
パニック障害について自己理解を深めておこう
あなた自身がパニック障害について自己理解を深めて、
- 前職を離職するに至った経緯や状況
- 現在の症状や治療の経過
- パニック発作を防ぐために取り組んでいる対策
- 働きやすい職場環境や会社側に求めたい配慮
これらのポイントを整理しておくことは、転職・再就職を目指す上で非常に重要です。
実際に、パニック障害の方が面接に臨んだ時、「障害の症状は、あなた自身でどの程度コントロールできていますか?」「職場で発作が起きた時、私たちはどのようなサポートを行えば良いですか?」など、自分の障害を理解できていなければ回答が難しい質問をされて困ったという声が多く挙がっています。
パニック障害を開示して転職・再就職を進める場合は、「あなた自身の障害について教えてください」という質問は必ず受けることが予想されます。
パニック障害の方にとって、面接そのものが大きな負担となる場合もありますよね。事前に予想できる質問への回答を準備しておくだけでも、面接時のプレッシャー軽減に繋がるでしょう。
また、これからの就職活動に不安がある場合は次の項目で紹介する就労支援サービスの利用もオススメです。
パニック障害の方が利用できる就労支援サービス
就労支援サービスとは、障害や病気を抱える方を対象にして、就職活動をサポートしたり働く場所を提供したりする支援制度のことです。就労支援サービスは、ハローワークや民間の就職エージェントと比較して、障害のある方の社会復帰に特化した手厚い支援を受けられる特徴があります。
ですが、これまで障害や病気と関わることなく働いていた方にとって、就労支援サービスはあまり聞き馴染みがないものかもしれませんね。
次の項目では、パニック障害の方にオススメしたい就労支援サービスについて紹介していきます。
就労移行支援
就労移行支援とは、一般企業(先述の障害者雇用を含む)への就職を目指す障害者を対象に、
- 就職に必要な知識やスキルを習得するための訓練
- 履歴書の添削や面接練習などの就職活動のサポート
- 障害と付き合いながら働ける仕事探しのサポート
などを実施している就労支援サービスです。
昨今の就労移行支援では、従来通りの「製品の仕分け・梱包」「製品の組み立て作業」などの軽作業を中心とした訓練以外にも、
- 「Web制作」「プログラミング」などのIT業界を目指す訓練
- 「グラフィックデザイン」「イラスト作成」「動画編集」などのクリエイターを目指す訓練
- 「Word」「Excel」「Power Point」や「簿記の資格取得」などの事務職を目指す訓練
などの専門性が高いスキルを習得できる事業所も増加しています。
そのため、就労移行支援の利用者の中には「キャリアチェンジに成功した」「やりたい仕事を見つけられた」という方もたくさんいます。
「1人で就職活動を進めることに不安がある」「無理がないように治療と就職活動を両立させたい」と考えているパニック障害の方には、特にオススメできます。
一方で、就労移行支援は最大2年間を目安に就職を目指す訓練であるため、すぐに就職できるわけではありません。また、利用期間中に給料や工賃などのお金を貰うこともできません。先述している失業保険などを活用して、生活手段を確保する必要がある点に注意が必要です。
就労継続支援A型
就労継続支援A型とは、障害者を対象にして、障害の特性や体調への配慮を受けながら働ける場所を提供している就労支援サービスです。週5日を目安に4~6時間程度の時短勤務となる事業所が一般的ですが、雇用契約を結んで働くため最低賃金が保証されており、毎月約8~9万円程度の給料を貰うことができます。
就労継続支援A型が扱う仕事には、下記のようなものがあります。
- 製品の仕分け、梱包、ラベル張りなどを行う軽作業
- カフェやレストランの運営、調理、接客などのを行う飲食業
- 野菜や果物の栽培、収穫、出荷作業などを行う農作業
- Web制作、プログラミングなどを行うIT作業
- データ入力、書類の作成や管理などを行う事務作業
就労継続支援A型には、大きな目的の1つとして「就労を通じたスキルアップ」があるため、「就労を通して、障害と付き合いながら働く方法を身に付けたい」「就労を通してスキルを身に着け、将来的に正社員を目指したい」と考えているパニック障害の方にオススメです。
ただし、就労移行支援と比較すると一般企業への就職支援はそれほど手厚くない点には注意が必要です。
WORK!DIVERDITY(ワークダイバーシティ)プロジェクト in 岐阜
「WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜」とは、2022年9月より開始された岐阜市内在住の「働きたくても働けない」「働きづらさを抱えている」という悩みを持つ岐阜市民の方を対象に、障害福祉サービスを提供して就労支援を行う取り組みです。
従来の制度において先述した就労移行支援や就労継続支援などの就労支援は、「障害者手帳も受給者証も取得できない方」は条件を満たしていないため利用できませんでした。
そこで、「WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜」では就労支援の利用条件を緩和し、様々な理由によって働くことに悩みを抱えていれば、障害者手帳や受給者証の有無を問わず就労支援を受けられる体制を整備しました。
障害者手帳の交付申請には初めて病院を受診した日から6か月経過していなければいけないため、障害者手帳未取得の方もいらっしゃるでしょう。また、障害者手帳の取得には慎重になっている方も珍しくありません。
このような場合、一度「WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜」への相談、利用を検討してみてはいかがでしょうか?
ご利用案内 | WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜
まとめ|パニック障害の復職・転職・再就職
まとめ
- パニック障害とは予期せぬパニック発作を何度も繰り返してしまう障害であり、自然治癒することは稀で、適切な治療が行われなければ悪化するリスクが高い
- パニック障害を発症しても仕事を続ける場合は、専門医による正確な診断を受けて治療を進めるとともに、会社に障害の理解と適切な配慮を求めることが大切
- 仕事を続けることが難しい場合は、転職や離職の決断をする前に「休職」を選択して治療に専念することも大切
- パニック障害の方が離職を選択する場合、障害者手帳を取得しておくと失業保険の優遇措置が受けられたり就職活動をスムーズに進められたりする
- パニック障害の方は「就労移行支援」「就労継続支援A型」などの就労支援サービスを利用できるため、1人での就職活動に不安がある場合や就職先が決まらない場合は適切な支援を頼ることが大切
今回の記事では、「仕事が原因でパニック障害になったらどうするのか?」という点に注目して、仕事を続けるために大切なことや離職後の社会復帰の方法について紹介しました。
突然に病気や障害の診断を受けると、頭が真っ白になって大きな不安を抱えてしまうのはよくあることです。そのような時は重大な決断をする前に一度落ち着いて、「今の職場に理解を求めることはできるのか?」「利用できる制度や支援は何があるのか?」について把握することが大切です。
コメント