ひきこもり

岐阜市の引きこもり・ニートの現状とは?利用できる支援制度はある?

岐阜市にお住まいの引きこもり・ニートの方、次のようなお悩みはありませんか?

「ニートの現状から脱出したいけど、踏み出す勇気が出ない」

「就職できても、働き続けられる自信がない……」

そのような「働きたいのに働けない」悩みを抱えた方に向けて、岐阜市にはさまざまな支援制度が用意されています。まずはこうした支援を頼り、自分に合った働き方を探っていきましょう。

本記事では

  • 岐阜市の引きこもり・ニートはどのような状況にある?
  • 岐阜市の引きこもり・ニートはどんな支援を受けられる?
  • 引きこもり・ニートも利用できる「WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜」とは?

これらについて解説いたします。

引きこもり・ニートは雇用に結びつきにくい

悩みを抱えた女性

2023年に公表された内閣府の調査によると、15歳~64歳の引きこもりの数は推計146万人とされています。割合としては、おおよそ50人に1人が引きこもり状態にあることになります。

このデータに基づいて計算したところ、15~64歳の中で引きこもり状態にある岐阜県民は推計2万7200人、岐阜市民で推計5700人という結果が出ました。

現状、こうした引きこもり・ニートの方々への就労支援体制は十分とはいえません。

就労支援サービスといえば、代表的なものに「就労移行支援」や「就労継続支援」があります。就労移行支援や就労継続支援は、「働く機会に巡り合えなかった」「働く上で苦手な作業がある」「対人関係が苦手」といった、働きづらさを抱える人々の就労を手助けする役割を担っています。

しかし、これらを利用できるのは原則、障害者手帳を所持している障害者の方です。他の理由から「働きづらさ」を抱える方は、こうした福祉サービスの対象から外れてしまうことも少なくないのです。

そんな中でも、引きこもり・ニートの方を対象とした支援は存在します。ここからは、そうした支援のうち、岐阜市で利用できるものを紹介していきます。

岐阜市の引きこもり支援の取り組み

近年は引きこもりについて相談しやすい環境整備が進められていますが、未だに支援と結びつかない層も多く存在します。引きこもり当事者が自力で社会復帰を目指すことは、とてもハードルが高いです。引きこもりの期間が長期化するにつれて、さらに解決が難しくなっていくでしょう。

あなたが引きこもりの状態で苦しんでいるのなら、遠慮せずに助けを求めてください。福祉サービスや相談機関の方々は、あなたを否定することなく受け入れてくれます。

相談できる場所が岐阜市内にも設置されていることを知って頂ければ幸いです。

ひきこもり相談室

〒500-8701
岐阜市司町40-1 岐阜市役所10階 福祉政策課
058-214-3703

岐阜市役所内の10階にある福祉政策課にひきこもり相談室は設置されています。引きこもりに悩む当事者、その家族の方も、まずは気軽に電話してみてはいかがでしょうか?

引きこもり相談室は、引きこもりに関する悩みを相談しやすい環境づくりを目指しており、目標を細かく分けて少しずつ達成していく事に力を入れています。「とりあえず話を聞いて欲しい」「まずは居場所が欲しい」といった方も歓迎です。

引きこもりに関する知識や相談経験を持った保健師、精神保健福祉相談員が相談相手となり、解決に向けたプランを個別に組み立ててくれます。相談の中で、本人の希望や必要に応じて病院や福祉機関、ワークダイバーシティなどの支援とつなげるサポートも行っています。

岐阜市が主体となって行っている引きこもり相談窓口であるため、地域に密着した引きこもり支援を望む方におすすめです。

引きこもり相談室資料

ひきこもり地域支援センター

〒502-0854
岐阜市鷺山向井2563-18 岐阜県障がい者総合相談センター2階
058-231-9724

ひきこもり地域支援センターとは、厚生労働省が主体となって全国の都道府県に設置されている引きこもりの相談窓口です。

福祉の資格を持つ相談員を相手に引きこもりの悩みを相談できます。引きこもりの方にそれぞれ個別で、適切な福祉機関や行政機関のサポートを受けられるように案内を行っている点では、ひきこもり相談室と同様の支援を行っていると言えるでしょう。

また、引きこもりに悩む家族を対象としたグループミーティングや講座も実施しています。

NPO法人などと連携して、引きこもり当事者とその家族の居場所づくりも積極的に行っているため、岐阜県にお住まいで引きこもりの相談先に悩んでいる方はこちらを利用するのがおすすめです。

ひきこもり地域支援センターリーフレット
引きこもり支援ガイドブック

岐阜市内のニートが受けられる就労支援

引きこもり状態から脱出できたとしても、就職までに高いハードルがあると感じる方もいらっしゃるでしょう。

ニートの方は、ブランクがあることや面接が怖いことを理由に就職活動に踏み出せずにいると、さらに長い空白期間が生まれてしまう悪循環に陥る可能性があります。

誰しも就職活動を行う時には、

「働くことに不安がある」
「就職活動の進め方がわからない」
「自分に合った仕事がわからない」

といった不安要素を抱えているものです。このような悩みを抱えた方に向けた就職支援施設が岐阜市にもあります。

岐阜県若者サポートステーション(サポステ)

若者サポートステーションは、「サポステ」の愛称で親しまれている就労支援機関です。「15歳~49歳の現在仕事をしていない方」を対象に支援を行っています。

サポステは、働くことに不安がある方が働ける状態になるための準備をする場所なので、求人紹介などは行っていません。自分のやりたい仕事・向いている仕事を分析することや、スキルアップのためのセミナーなどに力を入れています。

働くことに自信を持てるようになれば、ハローワークやジョブカフェなどの機関に引き継いでいく流れとなっています。

サポステでは主に、次のような支援を受けることができます。

  • 担当のキャリアコンサルタントとの個別面談
  • 企業説明会「百聞は一見にしかず 仕事フェア」の開催
  • 職場の見学・体験
  • コミュニケーション能力の向上を目的としたサークル活動
  • 応募書類作成、模擬面接などを基礎から学ぶサークル活動

特に職場見学・体験は、サポステならではの支援です。実際に会社の雰囲気を確かめる、現場の人の声を聞く、仕事を体験するといった取り組みは、志望企業を見極める上で貴重な経験となります。

岐阜市においては、JR岐阜駅の西側に位置するアクティブGという商業施設内に本所があります。また、ハローワーク岐阜と岐阜県シンクタンク庁舎内でも、月に一度出張相談所が設置されています。気になった方は、お近くの施設に足を運んでみてください

岐阜県若者サポートステーション

岐阜県総合人材チャレンジセンター(ジンチャレ)

岐阜県総合人材チャレンジセンターは、「ジンチャレ」の愛称で親しまれている就労支援機関です。名前は異なりますが、全国にある「ジョブカフェ」という施設と同様のサービスを展開しています。

ジンチャレでは求人紹介を行っているため、サポステを利用した後、実際に求人へ応募したいという段階の方や、なるべくすぐに働きたいと考えているニートの方に向けた就労支援機関になっています。サポステと併用している方もいます。

ハローワークと求人を共有しているため、一般的な就職エージェントなどと比較しても圧倒的な求人数を抱えており、岐阜で働きたいと考えている人に強い点が特徴的です。

就職相談を利用する場合は予約制になりますが、一時間を目安に枠を設けて同じ担当者が相談に乗ってくれる環境が整っているため、ハローワークよりも綿密な就職サポートを期待できます。

岐阜県シンクタンク庁舎内の「ジンチャレ!ぎふ」と、先ほど紹介したサポステ本所のすぐ隣にある「ジンチャレ!ぎふJobステーション」の2箇所の施設があります。利用してみたいと思った方は、電話で問い合わせてみましょう。

ジンチャレ!岐阜県の求職者就職支援サイト

WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜

WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜

「WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜」は、様々な理由で「働きづらさ」を抱える障害手帳を所持していない人を対象にした就労支援事業です。2022年9月より始まり、2023年10月時点で26名の利用者と2名の就職達成者がいます。

先述した通り、引きこもり・ニートや発達障害グレーゾーンといった悩みを抱えていながらも、現行の支援制度では雇用に結びつかない人々がいます。

「WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜」は、このような「働きづらさ」を抱える人々が、障害者手帳を所持していなくても「就労移行支援事業所」や「就労継続支援A型事業所」、「就労継続支援B型事業所」を利用できるようにする取り組みです。引きこもりやニートから脱却するための支援を受けたい岐阜市民の方は、誰でも利用できます。

岐阜市内には現在、就労移行支援事業所4か所と就労継続支援A型事業所1か所、就労継続支援B型事業所2か所の、計7か所のダイバーシティ就労支援拠点があります。それぞれの特徴を確認していきましょう。

就労移行支援事業所

就労移行支援とは、働きづらさを抱える人が、事業所が提供する訓練プログラムを通してスキルアップをしながら一般企業への就職を目指すサービスです。就職活動全般のサポートも受けられますが、原則として給料は貰えません。

以下の4件の就労移行支援事業所が、ダイバーシティ就労支援拠点になっています。

ウェルテクノスジョブトレーニングセンター岐阜

  • officeソフトやプログラミングのスキルを学べます
  • 個別カリキュラムにより自分のペースでスキルアップを目指せます
  • オフィス環境ですが、親しみやすい雰囲気の事業所です

ウェルテクノスジョブトレーニングセンター岐阜

工房はばたき

  • peu ā peuというパン屋で就労しながら「働く」を学ぶ就労移行支援事業所
  • 朝からの就労で一日の生活リズムを整えて体力もつきます
  • 一般就労に向けたプログラム(WRAP、SSTなど)も実施します

工房はばたき

ノックス岐阜

  • 2015年10月開所からの実績と地域トップクラスの就職者数
  • 発達障害やうつ・不安のある人等に特化した就職準備プログラムを提供
  • 在宅でのリモート受講OK(一部講義のみ)

ノックス岐阜

ワークサポートあすなろ

  • 就労先や自立に向け「清掃」を基本から取り組みます
  • 「軽作業」では集中力や持続力を養います
  • 小人数制で、一人ひとりに向き合います

ワークサポートあすなろ

就労継続支援A型事業所

就労継続支援A型は、働きづらさを抱える人が、雇用契約を結んで支援を受けながら就労できるサービスです。業務を通してスキルアップしながら一般企業への就職を目指すことができるほか、最低賃金が保証されており、就労時間に応じて給料が貰えることが特徴です。

以下の1つの就労継続支援A型事業所が、ダイバーシティ就労支援拠点になっています。

ぎふ就労支援センター

  • パソコンを使った仕事を行うA型事業所(WEB制作・CAD・ライティング等)
  • 在宅リモートでの利用が可能
  • 実践的な業務でスキルが身につく

ぎふ就労支援センター

就労継続支援B型事業所

就労継続支援B型は、働きづらさを抱える人へ、雇用契約を結ばずに就労の機会を提供し、支援を受けながら能力向上のための訓練を行います。短時間からでも利用できるため、障害や体調に合わせて自分のペースで働くことができます。

以下の2つの就労継続支援B型事業所が、ダイバーシティ就労支援拠点になっています。

アリー

  • 利用者さんは女性のみ。大人の女性が安心して通える事業所
  • ステップアップを目指すB型事業所
  • 精神障害・発達障害に特化した事業所

アリー

シャンツェ

  • 週3日から通所していただくことができます
  • 猫とふれあい、猫のために。あなたの「やさしさ」がお仕事になります
  • 保護猫の飼育の他に猫カフェの運営に携わることができます

シャンツェ

お問い合わせ先

「WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜」では、こうした事業所を利用することで働き続ける力を身につけることができます。体調に不安がある方や長時間の活動が難しい方も、ご自身のペースで利用できるため安心です。

上記の中に利用してみたい事業所が見つかった方や、「WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜」について気になった方は、下記フォームからお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォーム|WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜

まとめ

まとめ

  • 引きこもりやニート状態にある方は、遠慮せずに助けを求めることが大切。
  • 引きこもりの相談先には、岐阜市内だと「ひきこもり相談室」「ひきこもり地域支援センター」などがある
  • なかなか就職活動に踏み出せない、岐阜市内のニートの方は、「サポステ」と「ジンチャレ」の利用がオススメ
  • 「働きづらさ」を抱えた引きこもりやニートの方は、「WORK! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜」を利用して就労支援を受けることもできる

日本は、働ける人が2人に1人という時代を迎えようとしています。その中でも、「働きづらさ」を抱える人は8人に1人以上いると言われています。「働きたくても働けない」人は決して少数派ではないということです。

岐阜市内には、こうした「働きづらさ」を抱え、引きこもりやニートから脱出できず悩んでいる方に向けた支援が複数用意されています。一人で悩み続ける必要はありません。

この記事も参考に、自分に合った支援を受けて、社会復帰への第一歩を踏み出しましょう。

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